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石油小売りの苦悩 消えるガソリンスタンド

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ガソリンを必要としないEVの普及が、SS閉鎖に拍車をかける。

SS閉鎖が全国で“石油難民”を生み出している(写真はイメージ)(共同通信)

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10月初旬、石油業界関係者に波紋を広げるニュースが飛び込んだ。サービスステーション(SS)を全国展開する宇佐美鉱油(本部・名古屋市)による、三和エナジー(横浜市)の買収だ。

「電気自動車(EV)の脅威が、ついに大手SSを異色の買収に走らせた」。今回の買収劇のカギは、今後普及するEVへの対応にあるというのが石油業界の見方だ。

ガソリン車やディーゼル車、ハイブリッド車(HV)と違い、電気だけで動くEVは給油の必要がない。EVの普及が進むことでガソリンや軽油の需要減少に拍車がかかるのは必至。SSを運営する石油小売りにとっては死活問題だ。

三和は関東・東北など1都9県で住宅用の灯油やLPG(液化石油ガス)、大型トラック用(フリート)の軽油などの小口配送事業を営む。需要減が確実なガソリンに代わり、EV化の影響を受けづらいこうした商売を拡大しようと、宇佐美は動いたというわけだ。

SS退場を後押しする 元売り再編とEVの波

国内のSSは、ピークだった1994年度の6万0421カ所から2016年度末には3万1467カ所に半減した。下図にあるとおり、00年度から16年度までで、ガソリン需要が1割減ったのに対し、SSは4割も激減している。

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