第一級の政治スキャンダル、と野党側は勢い込む。安倍晋三首相は早期収束に懸命だが、森友学園疑惑は今も「火薬庫」である。
一方で閣僚の失態や暴走も後を絶たない。金田勝年法相、稲田朋美防衛相、鶴保庸介沖縄北方相、今村雅弘復興相、山本幸三地方創生相の失言や国会での不安定答弁がニュースとなった。「安倍1強」体制の慢心と弛緩だけでなく、在庫一掃人事や「臭い物にふた」の政権運営など、長期政権の「隠れた病理と通弊」が露呈し始めたようだ。
「揺れる1強」の下でもう一つ目立つのは、連立政権を組む自民党と公明党とのすき間風である。
自公連携の歴史は1999年10月の小渕恵三内閣での公明党の連立参加以来、17年半に及んでいる。民主党政権時代も「野党共闘」を続け、政権復帰で再び連立を組んだ。自公連携は今や全国に浸透し、選挙事情からも「切っても切れない関係」が各選挙区で定着している。
だが、昨年7月の参院選で微妙な変化が生じた。連携後の16年で自民党が初めて衆参両院で単独過半数を確保した。議院内閣制の常識に立てば「連立解消・単独政権」の議論が出ても不思議はないが、両党は波風を立てず、連立を維持した。
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