森友学園疑惑や閣僚の相次ぐ失言で苦境に陥った安倍政権だが、北朝鮮の核危機を最大限利用して、政局の主導権を取り戻そうとしている。戦争の恐怖をあおって国内の統合を図るのは政治家の常套手段とはいえ、今回の対応については批判しておかなければならない。
まず、脅威を誇張して国民の恐怖を増大させることは、政治家として許されないやり口である。安倍晋三首相は、北朝鮮はミサイルにサリンを搭載する可能性があると発言した。北朝鮮が毒ガス兵器を持っていることは大いにありうるが、それをミサイルに搭載して他国を攻撃することは別問題である。専門家は、サリンは熱に弱く、誘導ミサイルの弾頭に搭載すれば分解されると指摘している。他方、政府は万一のミサイル攻撃の際の「避難」の仕方について手引を作成し、内閣官房のホームページに掲載した。ミサイル発射が探知されたら建物の中に入り、窓から離れろ、とのこと。これで国民の安全確保の対策を取ったつもりなのだろうか。
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