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公的権力の私物化と腐敗の実態 泥沼化する森友学園事件が物語る

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森友学園問題で、かつてないほどに厳しい目が注がれる安倍昭恵夫人(AFP=時事)

森友学園の籠池泰典理事長の証人喚問は、安倍晋三政権に大きな衝撃を与えた。100万円の寄付の有無、安倍首相夫人の口利きの有無などについて、現時点で結論を出すことはできない。それでも、同学園による小学校の開設に至る過程で、いくつか常識を超えた行政当局の判断があったことは明らかとなった。私にとって不可解なことは、下記の点である。

1.時代錯誤的な忠君愛国教育を売り物にする学校法人が、小学校開設を申請したところ、認可権限を持つ大阪府は規制緩和によってこれを可能にしようとした。

2.この学校の用地として、財務省は国有地を大幅に値引きして随意契約によって売却した。しかも、財務省は価格算定に関する資料を契約成立後、即座に廃棄した。

3.国土交通省はこの学校の校舎建築のため、木造建築の推進という名目で補助金を交付した。

4.この学校用地確保のため有利な条件での定期借地契約を求める同学園からの要請を聞き、総理大臣夫人付きの公務員が財務省担当者に照会し、要請には応じられないとの結論ながら、詳細な回答を与えた。

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