多くの人がやっているからと漠然と選びがちな習い事だが、そもそもどんな能力が身に付くのか。その基礎知識を解説しよう。
2年以上の課外活動で 高学歴・高収入に
米国の心理学者マーゴ・ガードナー氏らコロンビア大学の研究者グループが2008年に発表した論文によると、10代の男女1万1000人を26歳まで長期追跡調査したところ、習い事や地域活動といった課外活動を2年以上続けた人は、1年しか続けなかった人に比べ、成人した時点でより高学歴かつ高収入になっていたという。また2年以上続けた人の中でも、習い事などにかける週当たりの時間が長いほうが、より高い学歴と収入を得ていた。
習い事を続けることと学歴・収入の上昇とをつないだのは、「非認知能力」と呼ばれる力だ。学力テストの点数やIQ(知能指数)試験で図ることができるスキルは認知能力。「この子は能力が高い」といって思い浮かべられるのは通常はこちらだ。
一方で、勤勉性や意欲、忍耐力、思いやりといった数値化が難しいスキルを非認知能力と呼ぶ。そしてこの非認知能力こそが、学力や年収、すなわち社会的・経済的な成功を支えており、生きる力の源泉でもあるという見方が、世界の教育学においてクローズアップされているのだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら