川崎市中原区にある武蔵小杉駅周辺には、空を突き刺すようなタワーマンション(20階建て以上、以下タワマン)がずらりと並ぶ。10棟以上のタワマンが林立する場所だ。
記者は昨年暮れの休日、武蔵小杉で販売中のタワマンのモデルルームを訪れた。15組以上の客がそれぞれのテーブルで、営業担当者の話を真剣に聴いている。小さな子どもを連れた家族が中心ながら、60歳以上のリタイア世代もちらほらいる。
中原区はマンション価格が右肩上がり。隣の幸区と比較するとその差は歴然だ。地元の不動産業者によると、「中古の価格が買った当初より上昇している。タワマン以外の通常のマンションではあまり見られない動きだ」という。
改札に入るのに大行列、インフラ整備追いつかず
武蔵小杉はかつて企業の工場や寮などがあった場所。1990年代後半から工場の閉鎖や移転が進み、2005年ごろからタワマンが建設されるようになった。敷地面積の大きい工場の跡地を整備したため大胆に工事ができ、「集中して開発が進んだまれな例」(川崎市役所)という。
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