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米国・トランプショックと戦後システムの岐路 ▶▶Part2 近現代史が語る時代への教訓

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[ポイント1]
トランプ次期大統領のこれまでの発言から推測される基本路線は、自由貿易政策の見直し、「アメリカファースト」の外交政策、「多文化主義」の否定の3点だ

[ポイント2]
米国の「力の限界」をオバマ政権は国際協調で補完しようとしたが、トランプ政権は大国間パワーポリティクスでの補完に向かうおそれがある

[ポイント3]
米国は第2次大戦の参戦前、ナチス・ドイツの欧州支配を許容し勢力圏を相互承認することで戦争を回避しようとした。今後、日本にとっても関心事となる

 

米大統領選でドナルド・トランプが勝利したことは、世界に衝撃を与えた。移民排斥や女性蔑視の過激な発言を繰り返し、共和党主流派からも絶縁状を突き付けられていたし、主要メディアはヒラリー・クリントンへの支持を明言していた。にもかかわらず勝利した。

本来の支持基盤である白人労働者や下層ミドルクラスだけでなく、中間所得層の国民にも支持が広がっていたのが実相であろう。それだけ米国民には既成政治への不信があり、経済的にこれ以上、豊かになれない生活への不安があった。

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