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立ち止まって考える「ポピュリズムは悪か」 米国/反権威としてのトランプ、米国の大衆性

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トランプは政治のプロへの国民の反感をうまくすくい取った(AP/アフロ)

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「ポピュリズム」という言葉は米国では両義的である。すなわち「大衆への迎合」と「大衆の反逆」という意味を持つ。

今回の米大統領選におけるドナルド・トランプの当選はこのポピュリズムをよく示している。

トランプは共和党候補だが、共和党に復帰したのは2012年で、それまでは民主党や改革党などを渡り歩いた。政策的にも、イラク戦争やNAFTA(北米自由貿易協定)、TPP(環太平洋経済連携協定)などに反対する一方、移民受け入れの制限、最低賃金の引き上げ、社会保障の維持、人工妊娠中絶に容認の姿勢を示すなど、「強いアメリカ」「小さな政府」「伝統的価値」を重んじる共和党の基本的立場とは相いれない面が多い。

トランプの中核的支持者はプアホワイト(白人の労働者層)とされているが、いずれも彼らにとって聞き心地のよい政策ばかりである。あたかも共和党候補者としてのイデオロギー的な純度や一貫性は二の次で、票につながることが第一という姿勢だ。それゆえ従来の共和党支持者からは「トランプはRINO(Republi-can In Name Only、名前だけの共和党員)」と批判される。

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