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バブル懸念に人口減、リスクとの向き合い方 ご意見番・さくら事務所の長嶋修氏に聞く

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不動産コンサルタント 長嶋 修

ながしま・おさむ●1967年生まれ。99年個人向け総合不動産コンサルのさくら事務所を設立、現会長。政策提言も積極的に行い、著書・メディア出演も多数。(撮影:梅谷秀司)

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東京都心部のマンションの価格は、所得が伸び悩む庶民には手の届かない水準に上がり、利回りも低下した。今年1~8月の契約販売戸数は1992年以来の低水準を記録している。これらをもって「今の日本の不動産市況はバブルで、やがてはじける」との論調が見られる。

しかし現状はとてもバブルとはいえない。第一に国際的な比較でわかる。ロンドンや香港の不動産価格はもっと高く、東京の2~3倍はする。アジア各国のマンション投資利回りと比較しても日本は真ん中程度だ(図表1)。第二に、今の市況は東京の一部マンションが高騰しているだけで、他のエリアの価格上昇幅は比較的穏やかだ(図表2)。

[図表1]
[図表2]

 

ここ数年の価格上昇は、相対的に割安に放置されていた東京都心部の不動産価格が、ほかの先進国の主要都市の水準に追いつこうとしたものだと理解するべきではないか。

価格調整は起こるが、あっても5~10%程度

ただ、いずれ価格調整は起こるだろう。東京都心にはチャイナマネーや相続税対策の資金が流れ込んできたが、円高に転じたことなどからそれらは一服している。マンション在庫が増えていることもある。ただ、価格調整が起こっても5~10%程度の下落だと思われる。

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