ようやく“普通の会社”になった西武ホールディングス(HD)だが、取り組むべき課題は山積している。最大の問題は少子高齢化への対応だ。宅地開発が進み、黙っていても鉄道利用者が増える時代はとうに終わった。西武鉄道の輸送人員は1991年度の6億7421万人をピークに、2014年度は6億2850万人に減少した。沿線では人口減少の兆しも見え始めている。
取るべき道は「住んでよかった、来てよかったと思ってもらえる沿線」(西武鉄道の金杉和秋鉄道本部長)を作り、他の鉄道との路線間競争に打ち勝つことだ。わざわざ西武沿線に住みたいと思わせるだけの魅力を生むべく、何年も前から議論を重ねてきた。そのいくつかが具体化しつつある。
「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む」デザイン──。西武が3月14日に発表した新型特急導入のニュースは、鉄道に関心のない人にもインパクトを与えた。
これまでの電車では見たことのないような、近未来の乗り物を思わせる斬新なデザイン(80ページ写真)。「風景と共にあるような特急」をコンセプトにした外観のイメージは、まるで銀色に輝く弾丸かカプセルのような流線形だ。デザインを担当するのは、建築界のノーベル賞とも称される「プリツカー賞」を受賞した建築家の妹島和世氏だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら