
2016年の3月は震災からちょうど5周年という一つの大きな区切りとなった。被災した鉄道路線にとっては、すべての線区において「将来像」、つまり復旧の方針や時期が決まるという、こちらも区切りとなった月でもあった。
こうした動きを受けて、今回は私も、現状を把握するだけではなく、「今後の東北太平洋岸の交通網はいかにあるべきか」という点も念頭に現地を取材した。もちろん交通復興への道のりは、まだまだ遠い。さまざまな課題も見えてきており、このままスムーズに進むとは限らないとも思う。
常磐線は全線復旧へ BRTは運行を継続
最後まで方向性が見えなかったのは、福島第一原子力発電所事故により不通が続いている常磐線竜田─原ノ町間のうち、帰宅困難地域を通過している富岡─浪江間であった。除染、復旧工事実施へのメドがついたことから、JR東日本は3月10日に、この区間の19年度末(20年春)の運転再開予定を発表。これで常磐線の不通区間はすべて復旧時期が示されたことになる。全線運転再開へ向け、大きく動いたと言えよう。
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