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『「学力」の経済学』の著者が解説する 7つのポイント PART1 教育を「科学」する なぜ今“教育経済学"なのか

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科学で斬れば、教育の知られざる一面が見えてくる。あなたの子育て、間違っていませんか?

経済学や心理学、そして脳科学まで。今、さまざまな分野の知見を取り込みながら、教育を「科学」する試みが始まっている。

慶応義塾大学総合政策学部の中室牧子准教授は、経済学の視点から教育を研究してきた。6月に発売された著書『「学力」の経済学』は、15万部を超えるベストセラーだ。なぜ「教育経済学」が注目を集めるのか。中室准教授本人が解説する。

「個人の経験」だけでは教育の本質は見えない

慶応義塾大学准教授 中室牧子

なかむろ・まきこ●1998年慶応義塾大学卒業。米ニューヨーク市のコロンビア大学で博士号を取得。日本銀行や世界銀行での実務経験を経て、2013年から現職。(撮影:今井康一)

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「学力」の経済学
客観的なデータに基づき、教育を経済学的な手法で分析。教育にまつわるさまざまな実証実験も紹介する「学力」の経済学(ディスカヴァー・トゥエンティワン/199ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

POINT1 教育に「科学」の目を持ち込む 

経済学の一分野である労働経済学には、人間は投資によって技能や知識を高められるという考え方(人的資本理論)がある。いかに人的生産性を高めるか、その中では教育が大きなテーマになる。今では教育経済学は一つの分野として確立したといっていい。

教育に科学的根拠(エビデンス)を持ち込むのは世界的な潮流だが、日本ではまだ浸透していない。

それは政府における議論を見ても一目瞭然だ。財政や金融政策などについては、客観的事実に基づく現状分析が議論を先導している。その一方で、議論が教育再生に及んだ途端、「私の個人的な意見ではあるが」などといって、個人的な体験に基づく主観的な意見が大勢を占める。

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