どんな学習や習い事が有効なのか。日本の幼児・初等教育の現状と併せてリポートする。
IQ(知能指数)や学力など数値化が可能な能力を「認知スキル」と呼ぶのに対して、気質や性格など目に見えない力を総称して「非認知スキル」という。
これまで教育の現場では、とかく認知スキルの向上が焦点となりがちだったが、近年は非認知スキルが経済的・社会的な成功に大きな影響を及ぼすという研究成果が数多く報告され、世界的に注目を集めている。
将来の成功を左右する「やり抜く力」や「自制心」
非認知スキルといっても、難しく考える必要はない。「思いやり」や「協調性」「やり抜く力」「社交性」「自制心」「勤勉性」など、人間が生きていくために大切な能力全般を指すと考えればいい。
幼児教育への積極的な投資を各国に呼びかけるOECD(経済協力開発機構)ではこのスキルは「社会情動的スキル」と呼ばれ、「人生のあらゆる段階で不可欠な役割を果たす」(OECD教育・スキル局長のアンドレアス・シュライヒャー氏)と重要視されている。
実は非認知スキルとは、日本の幼児教育が従来育んできたものにほかならない。2000年度施行の「幼稚園教育要領」には、教育目標として「生きる力の基礎となる心情、意欲、態度」が掲げられており、遊びや、先生・友達との触れ合いの大切さが指摘されている。
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