「新しい金融商品として急成長したETFだが、予期せぬ動きが出てこないか先行きを注視している」(みずほ総合研究所の小野亮主席エコノミスト)
金融市場が不安定になっている中、小野氏のようにETFのリスク面に注目するエコノミストは増えつつある。世界のETF純資産高は今や360兆円に迫り、リーマンショック当時の4倍弱に膨らんだ。過去を振り返れば、新興国向け高利回り債券(メキシコ通貨危機など)や証券化商品(サブプライムショック)のように特定の金融商品が肥大化すると、その後必ずバブルは破裂した。はたして、欧米でブームのETFは次のバブル崩壊の引き金になるのか。
原資産を持たないシンセティックETF
ここではETFの持つ重大リスクを三つに類型化した(図表1)。金融パニックにつながりかねないリスクは特に1と2である。まずは1から見ていこう。
株式指数などを複製する形で実際に原資産を保有するのがETFの特徴だ。万一運用会社が破綻しても原資産は分別管理されているから安心というわけだ(参照→「ETFの基礎知識」)。だが一部に原資産を保有しないものがある。それが1のETN(上場投資証券)やリンク債型ETF、OTCスワップ型ETFと呼ばれるものだ。これらは広く一般的にシンセティック(合成)ETFといわれている。
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