昨今、急速に投資対象が広がった海外株の国内ETFだが、対象地域を問わず共通するリスクがある。為替変動リスクだ。
たとえばS&P500指数に連動するETFの市場価格は、現地でドル建て表示されているS&P500指数を円建てに換算したものに連動させる仕組みを取っている。
そのため、原指数のS&P500が前日比で3%上昇したとしても、ドル円レートが2%ドル安になれば差し引きで、円建て換算されたS&P500の上昇率は1%にとどまる。海外株のETFでは、為替レートが円高になったときのリスクに十分留意しておく必要がある。
ちなみに為替変動リスクについては、原指数がどの通貨かという点も重要だ。米ドルやユーロなど市場の流動性が高い通貨であれば変動幅が極端に大きくなるケースは少ないが、中国人民元のように市場の流動性が低い通貨だと、変動幅は相対的に高くなる。新興国の株価指数に連動するETFについては、原指数の通貨にも注意する必要がある。
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