注目すべきはがんだけではない。多種多様な領域で新薬が続々と登場している。
今回はC型肝炎、アルツハイマー型認知症、糖尿病、逆流性食道炎、不眠症における新薬開発を取り上げた。新薬の効果や副作用、価格などをめぐり、さまざまな議論が起きている。治療や予防を考える際の参考にしてほしい。
C型肝炎
546万円の特効薬が登場
1日1錠6万1799円、12週間の治療でかかる薬剤費は併用薬を含めて約546万円──。5月に国内で発売されたC型肝炎薬「ソホスブビル(製品名ソバルディ)」は、まずその高い価格が話題となった。だが治療効果も非常に高く、特効薬として期待されている。
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染すると、自覚症状のないまま、約20年かけて3~4割の人が慢性肝炎から肝硬変に移行。その多くが肝細胞がんを発症する。肝細胞がんを主体とする肝臓がんは死亡率が高く、国内で年間約3万人が命を落とす。
HCV感染者は国内に100万~150万人いるとされるが、4割ほどが検査を受けておらず未治療。主な感染経路は、HCVを含む1989年以前の輸血や、40年以前の寄生虫駆除薬、戦前・戦後の覚醒(かくせい)剤を打つ注射器の使い回しだ。89年以降は輸血用血液の検査が導入され、現在では新規患者はほとんどいない。国内感染者の多くが高齢者だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら