「閑古鳥が鳴いている」と揶揄され続けてきた関西国際空港の様相が一変している。円安やビザ緩和などを背景にアジアからの外国人客が急増。空港内のロビーや商業施設は連日にぎわっている。
4月中旬の午後1時すぎ。シンガポールのLCC(格安航空会社)であるジェットスター・アジア航空のカウンター前には、通路にはみ出すほどの長蛇の列ができていた(写真下)。お土産が詰まっていると思われる大きな旅行ケースを携えている人が目につく。日本での観光を終えてこれから帰国するのだ。全日本空輸(ANA)が出資するLCC、ピーチ・アビエーションのカウンターや手荷物検査場も、ピーク時にはまるで通勤ラッシュのようになる。
外国人は空港内の商業施設にも押し寄せる。大阪名物として人気の中華まんじゅうを販売する店舗では「30分以上待ちの行列になることもしばしば」と女性店員が明かす。関空を運営する新関西国際空港会社(新関空会社)は、関空の2014年度の国際線旅客数が前年度比12%増の1352万人と、1994年の開港以来、過去最高だったと発表した。特に、国際線を利用した外国人は同41%増の699万人と急伸。3年前と比べると、実に2.5倍もの伸びを見せた(図表1)。
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