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2年後、鶴は再び世界に羽ばたけるか 総点検! 日系エアラインが生き残る道

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会社更生法の適用申請から5年。日本航空(JAL)の利益は劇的に改善した。路線のリストラを進めた結果、売り上げ規模は縮小。だが利益額ではアジアの中で頭一つ抜けている(→関連記図)。

営業利益率は13%(2014年度、図表1)。JALはフルサービスキャリアー(FSC)でありながら、高収益体質で知られるライアンエアーなど欧米LCC(格安航空会社)と並ぶ、世界トップクラスに上り詰めた。自己資本比率も52%と高く、航空会社の平均である30%を大きく上回る。

[図表1]
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もちろん再生の過程で5200億円の債権放棄と企業再生支援機構による3500億円の出資を受けたことは大きい。さらに減価償却費の軽減(15年度まで)で営業利益が大きく出るうえ、法人税の減免で純利益も膨らみ、自己資本が積み上がりやすい。

だが、JALの自助努力も無視できない。自らも変わったのである。

破綻後の新規投資制限 付きまとう政治リスク

JALの経営陣には月に2日、緊張の瞬間がやってくる。

東京・天王洲の本社で「業績報告会」が開かれるのだ。路線、運航、販売などの各本部長や主要なグループ会社の社長が40人ほど集まり、会議室に2日間、缶詰めになる。各本部長は毎月、実績と計画値との差異を報告する。計画を達成できなかった場合、なぜできなかったのか、今後どうすればできるのかを、相互に厳しく追及する。この業績報告会は10年、京セラ創業者でJALの再生を担った稲盛和夫氏が、経営再建の過程で導入した。

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