
パート社員によるメニュー提案が人気だ(上)。パンや焼き鳥は店内調理で提供する(下)(撮影:尾形文繁)
「調味料を使わずに、ごま昆布とすりごまで味付けしています。おいしいですよ。どうぞ、食べてみてください」──。
3月中旬に話題の食品スーパーを訪ねると、本日のおすすめメニュー「鶏胸肉と菜の花のごま昆布炒め」を薦めるパート社員2名の姿があった。店舗の中央通路に構えられたクッキングサポートコーナーで調理した試食用料理を並べていく。多くの買い物客がそこで立ち止まり、パート社員との会話が始まる。「あら、おいしいわね。買っていくわ」。鶏胸肉、菜の花、ごま昆布……。おすすめ料理の食材が次々に買い物かごに吸い込まれていった。
献立を作るパート社員 顧客との会話で売れる
買物客でにぎわうこのスーパーは埼玉県を地盤に142店を展開するヤオコーだ。22期にわたって増益決算が続いている驚異の食品スーパーで、増税後も既存店の客数、客単価が前年を上回る好調ぶり。今2015年3月期業績も売上高3030億円、営業利益134億円といずれも過去最高を更新する見通しだ。
[図表1]

強さの秘訣は提案型の売り場。それもすべて現場に任せていることがミソだ。パート社員に自らメニューを考案させ、売り場のレイアウトなども任せている。
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