およそ銀行らしくない銀行だ。通常、銀行といえば、預金で集めたおカネを貸し出しなどで運用して収益を稼ぐ。しかしセブン銀行の収益の90%以上はATM(現金自動出入機)の利用手数料収入が占める。しかも収益性が高く、同社の前2014年3月期の純益実績(212億円)は、上場する銀行92社中で23位。業績は着実な右肩上がりが続き、今期も最高益を更新する見通しだ。
独自のビジネスモデルは、その成り立ちに由来する。1990年代後半、セブン-イレブンが実施する1万人調査「今のセブン-イレブンにはないけれども、今後あってほしいものは?」という問いで、つねに上位に挙がっていたのが「ATM」。
これを受けてセブン-イレブンは複数の銀行とのATM共同運営を検討。だがこれでは、ゴールデンウイークや深夜時間帯などで、利用時間に制限がある。店舗は24時間営業しているのに使えない時間のあるATMを置く意味があるのか。そんな苦悩を経て出した結論が、自分たちで銀行を作る、というものだった。
折しも橋本龍太郎内閣によって打ち出された日本版金融ビッグバン構想により、銀行への異業種参入が認められ始めた時期。01年、アイワイバンク銀行を設立した(05年に現社名へ変更)。
セブン銀行の収益モデルはこうだ。提携している銀行や証券会社などに口座を持つ利用者が、セブン銀行のATMを使って出入金や振り込みなどを行う。このときにセブン銀行は提携金融機関からATM利用手数料を受け取れる。1件当たりの単価は約130円だ。
この記事は有料会員限定です
残り 587文字
