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軍事研究「解禁」へ 狭まる東大包囲網 軍事用と民生用の区別があいまいに

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(撮影:尾形文繁)

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東京大学が激震に見舞われた。1月16日、産経新聞は1面トップで「東大が軍事研究を解禁」と報道。昨年12月に大学院情報理工学系研究科の学生向けの「科学研究ガイドライン」から、「一切の例外なく、軍事研究を禁止する」の文言が削除され、「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」と改訂されたことを伝えた。

東大は第2次世界大戦中に兵器開発にかかわった反省から、軍事研究を禁じてきた。産経の記事では、安倍晋三政権が2013年に閣議決定した「国家安全保障戦略」に沿って「東大が方針転換」と書かれ、関係者の間に動揺が走った。

東大は即日、ホームページに濱田純一総長名義で「東京大学における軍事研究の禁止について」というコメントを掲載した。ただ、その内容は竜頭蛇尾。冒頭では「学術における軍事研究の禁止」は「東京大学の教育研究のもっとも重要な基本原則」としながらも、「学問研究はその扱い方によって平和目的にも軍事目的にも利用される可能性(両義性:デュアル・ユース)が、本質的に存在する」と中盤からはあいまいなトーンに。最後は「研究成果の公開性が大学の学術の根幹をなすことを踏まえつつ、(中略)適切なデュアル・ユースのあり方を丁寧に議論し対応していく」と結ばれた。

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