東京外国語大学大学院 総合国際学研究科教授 伊勢崎賢治氏に聞く 『本当の戦争の話をしよう』を書いた

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平和を訴えても、悪を排除しても、戦争はなくならない──。「国際関係論の現場にいた紛争屋」が語る、日本人と戦争のこれから。

本当の戦争の話をしよう: 世界の「対立」を仕切る
本当の戦争の話をしよう: 世界の「対立」を仕切る(朝日出版社/424ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──「紛争屋」なのですか。

今教えているのは「平和と紛争」学、つまり国際関係論。僕自身、現場にいたが、学者の書いたものを現場にいる人は読まない。読まないから国際関係がおかしくなると学者は思いがちだが、現場のほうはそれが現実離れしていて役に立たないと言っている。僕は両方をリンクするものを目指しているが、教員自体を天職とは思っていない。

──現場?

もともと理科系で、建築をちゃんと勉強していた。あえて紛争屋と自称しているキャリアは20代半ば頃、インドのスラム街から始まった。その後、国際非政府組織(NGO)の現場事務所長として、アフリカのシエラレオネ、ケニア、エチオピアで農業開発にかかわり、国連平和維持活動(PKO)の幹部としては、東ティモールの知事になって多国籍軍大隊を統括しつつ、国づくりの指揮も執った。40代で同じくPKOで再びシエラレオネにて武装解除に携わり、2003年から翌年にかけてはアフガニスタンで日本政府の代表として軍閥たちの武装解除も指揮した。

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