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原発の安全、テロ・火災対策は大丈夫か? 緊急連載「原発最後の選択」第3回

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地震や火災、浸水で脆弱さを露呈。テロ対策では警察の警備強化や自衛隊との連携も進むが、決定打はない。

(本誌:岡田広行)

[ポイント1]
9月、東京電力の原発で不審者侵入検知装置の警報音が鳴らないように設定されていることが発覚。テロ対策意識のお寒い現実をさらけ出した。

[ポイント2]
オーストラリアや南アフリカなど海外では各施設へのテロ未遂事件が発生しており、原発へのテロ攻撃は現実の脅威だ。

[ポイント3]
原発が北朝鮮のテロリストに襲われたら。意図的な航空機衝突に原子炉は耐えられるか。専門家からは「有効な対処策はない」との声も聞かれる。

 

原子力発電所の安全管理態勢が危うい。それを物語る事例が最近相次いで明らかになっている。

9月12日、東京電力の福島第二原発で、不審者の侵入を検知する装置の警報音が、鳴らないように設定されていたことが判明。原子力規制庁は、核物質防護規定の遵守義務違反として厳重注意処分を下した。

9月28日には、北陸電力の志賀原発2号機(石川県)で、6.6トンもの雨水が原子炉建屋内に流入し、非常用照明の分電盤がショートした。雨水が流入したエリアには原子炉の冷却に使用する重要設備も配されており、流入が拡大していれば、安全機能を喪失する可能性もあった。

最悪シナリオでは東日本全域に影響も

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