エフ・ピー・エム研究所 代表取締役 鈴村尚久氏に聞く 『トヨタ生産方式の逆襲』を書いた

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「トヨタ生産方式が誤解されている結果、多くの企業が成果を出せずにいる」と説く。

トヨタ生産方式の逆襲 (文春新書)
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──「トヨタ生産方式(TPS)」という言葉が好きでないとあります。

もともと大野(耐一)さんやおやじ(鈴村喜久男氏)たちは「トヨタ方式」と呼んでいた。最初は「スーパーマーケット方式」と言っていた。当時は、トヨタ社内でもほとんどの人が知らなかった。ある役員に説明したところ、「生産工学の一種だな」ということで「“生産方式”と後ろにつけなさい」と言われて、トヨタ生産方式となった。これはおやじから聞いたことです。

トヨタ生産方式が成立した頃はトヨタ自動車は「工販」に分かれていた。「工業」は「自販」が注文してきた分しか造ってはいけないし、自販を通してしか売ってはいけない。生産に専念するしかなかったから、「トヨタ式=トヨタ生産方式」で間違いなかった。

でも、生産方式と名付けられたことで工場だけの考え方というイメージが浸透してしまった。本来の意味が忘れ去られ、在庫を持たないかんばん方式や工場の現場でストップウォッチやビデオ撮影で作業時間を減らす作業改善だけが、トヨタ生産方式だと思われるようになった。

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