追い込まれて“局地戦" 海外去る日本のテレビ
価格下落やシェア低迷で、パナソニックや東芝が一部海外での自社生産を終える。
「いったん黒字化のメドはついたが、想定以上に状況が悪化している」
パナソニックのある関係者がそうため息をつくのはテレビ事業だ。全社的には業績回復が目立つが、赤字事業の中で、テレビの不振だけが特に深刻さを増している。
想定外だったのは、まずは円安である。テレビの原価構成は7割以上が液晶パネルだ。海外調達なので、円安のデメリットは大きい。
欧州市場での価格下落も響いた。低シェアにあえいでいた中国や米国市場に比べ、欧州は4Kテレビなど高価格帯の需要が根強く、重点地域と位置づけていた。ところが、ここへきて韓国サムスン電子などの値下げ攻勢で、苦戦を強いられている。
ひとまず今年1月末には、中国・山東省の合弁会社での生産を終了した。今後は生産を他社に委託するという。北米向け生産を担うメキシコについても、現地企業への工場売却を考えているほか、テレビ事業全体について、海外の生産体制をどうするかを検討している。
東芝は海外撤退も
テレビ事業の海外生産体制を見直しているのは、パナソニックだけではない(図表1)。価格の急速な下落、韓国勢や中国TCL、米ビジオといった海外メーカーの猛攻によって、日本勢の世界における販売台数シェアは、ジリジリと減り続けている。
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