有料会員限定

海外資産に課税の網 ターゲットは富裕層

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15
拡大
縮小

国税庁が富裕層に対する新制度を次々打ち出している。

「突然、税務署から電話があったときは本当にびっくりした」。都内に住む浅香宏治さん(仮名)はそう振り返る。

浅香さんは50代。外資系企業幹部を経てベンチャーを経営する、いわゆる富裕層だ。昨年秋、突然、税務署から連絡が来た。浅香さんの資産は現金と不動産が中心で、それほど複雑ではない。税務調査が入ったことはこれまで一度もなかった。

とはいえ、浅香さんに心当たりがないわけではなかった。一昨年に知り合いからの勧誘を断り切れず、外貨建ての投資信託を購入。その際に外国銀行に口座を作り、まとまったおカネを送っていたのだ。どうやら税務署は海外口座の動きを察知して、調査を始めたようだった。

税務署の調査官2人による調査は2日間。浅香さんは税理士に税務申告を任せていたが、実は投資信託を売却して得た所得を申告していなかった。そのほかに、不動産オーナーとして資産管理会社から妻に支払われる給与が多すぎるなどの指摘を受け、結局600万円もの税金を追加で支払った。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内