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イシブラス撤退から17年目のラストチャンス ブラジル再進出を決めたIHI

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石川島ブラジル造船所(イシブラス)は、中南米最大の造船会社として栄えた(撮影:ヒダキトモコ)

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2010年11月1日、IHIは、ブラジル・リオデジャネイロに営業拠点となる現地法人を設立した。

IHI社内には、この日を特別な思いで迎えた幹部が何人もいた。IHIはかつて、ブラジルにおける造船事業で栄光と挫折を経験し、今もブラジルでは最も名が知られた日本企業の一つである。今回の現法設立はブラジルへの再進出宣言なのだ。

造船景気のさなか、超インフレが襲った

IHIが初めてブラジル・リオに造船子会社(石川島ブラジル造船所、略称イシブラス)を設けたのは、半世紀以上も前の1959年のこと。当時は石川島重工業(翌60年に播磨造船所と合併して石川島播磨重工業、07年からIHI)という社名で、海外展開はおろか輸出もあまりなかった時代。初めての本格的な海外進出先が、ブラジルだった。

それ以前、IHIはブラジルの国営石油会社ペトロブラスからタンカーを受注するなど、ブラジルとの取引関係が多少はあった。一方、ブラジルは国を挙げた開発計画の下、造船業の誘致・育成を図ろうとしており、当時、世界トップクラスの造船会社だった石川島重工に協力を要請してきた。これを受け、当時の故・土光敏夫社長が進出を決断した。

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