[JBS] 怒濤のM&Aで食肉世界一に
「ここはグーグル?」。サンパウロ市郊外にあるJBSの本社は、日本人の食肉企業に対する観念を覆すようなたたずまいだ。
全面ガラス張りの外観に牛のオブジェ。中に入ると、吹き抜けの天井から大きなブラジル国旗が垂れ下がり、右手にある園庭には南国らしい植栽が美しい。まるで米西海岸のハイテク企業のようなオフィスだ。その中を、大学生のような若々しい社員たちが談笑しながら行き交う。
1953年、中部ゴイアス州の精肉業者として産声を上げたJBSは、今や年商400億を稼ぐ世界一の食肉加工会社に成長した。1月末には米食品大手のサラ・リーに対し買収を提案。「片田舎の肉屋だったJBSが……。5年前ならありえなかった話だ」と業界関係者も驚く。
そんなブラジルの隠れた巨大企業をここまで育てた立役者の一人が、創業者の息子ジョゼリー・バチスタCEOだ。
写真が苦手な「カメラシャイ」で知られる同CEOは、ピンク色のオックスフォードシャツにジーンズ姿で応接室に現れた。焼けた肌に長めの髪の毛という、カウボーイを思わせるような風貌だ。しかし、手元の携帯電話にひっきりなしに入ってくるメールをチェックする姿は、多忙なエグゼクティブそのものである。
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