1994年の民営化後、中型航空機を武器に世界輸出を拡大し、航空機世界3位クラスにまで上り詰めたブラジルきっての“国際派”企業、エンブラエル。近年は世界的な景気低迷を背景に苦戦が続くが、どんな反転策を描いているのか。同社を率いるフレデリコ・クラド社長兼CEOに現地で聞いた。
2008~09年は、景気低迷から航空業界には厳しい年となり、航空機の需要も伸び悩んだ。ただ、10年10~12月期あたりからは、受注は上向いてきている。そういった意味で10年は過渡期だったが、今後は買い換え需要なども見込め、徐々に環境、業績とも改善するだろう。
ただ、現在主力の欧米市場はすでに成熟しており、今後は大きな成長を目指すというより、買い換え需要をしっかりと確保して安定的な成長を探る。そのうえで今後の成長源は、一番がアジア、次いでラテンアメリカ、中東と考えている。
ブラジルは昨年、旅客数が前年比20%増え、航空機だけでなくインフラや人材などの拡充が大きな課題である。ただ現状では、ブラジル国内の売り上げは当社全体の10~12%程度にすぎない。今後も当社にとって主要市場は欧米、さらに成長のドライバーとなるのがアジア、という大きなスタンスは変わらないだろう。
今後も「Eジェット」シリーズを中心とした中型機で他社と差別化を図りたい。一方で、130席以上の航空機の製造についても現在研究し、検討はしている。このクラスの大型機になると、エアバスなどと競合することになる。彼らより優れた製品を開発できないかぎり、顧客が(サプライヤーを)乗り換えることはないだろう。エアバスらの動きを注視しながら慎重に検討したい。
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