即席麺が一斉値上げ、どうなる日本の国民食 日清食品は正月から5~8%値上げ

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政府の小麦売り渡し価格は、過去6カ月間の平均買い付け価格をベースに年に2回改定される。

前回値上げがあった2008年は、売り渡し価格が7万6030円/トン(2008年10月期)まで上昇し、前年同月比4割高になるなど、未曾有の高騰となった。ただ、直近で発表された政府の小麦売り渡し価格は、5万8330円/トン(2014年10月期)で、前期比マイナス0.4%と、相場は落ち着いている。加えて、前回の値上げのもう一つの原因となった原油高も、現在の原油相場は下落が続き、今回の直接の原因とはなっていない。

物流費の上昇も痛い

にもかかわらず値上げになる理由は、やはり昨今の円安。「原材料相場が安くなっても、即席麺の原材料のほぼ100%が輸入によって賄われている。円安によって原材料全般に影響が出ている」(日清食品HD・IR担当)。

また、ドライバー不足などによる物流費の高騰も、重くのしかかる。即席麺は他の食品と比べて体積が大きく、一度に運べる量が少ない。その割に単価が低いため、1個当たりの物流費が割高になる。

同じ理由から、即席麺は海外展開の際は現地生産が基本となるため、円安による輸出メリットは享受できない。海外事業の収益を円換算した際のカサ上げ効果は期待できるが、それ以上に国内事業の原料高が響き、日清食品HD、東洋水産は今期減益を計画。来年以降は値上げで浮上したいところだが、足元の円安で、即席麺業界にとって頭の痛い日々が続きそうだ。

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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