実質金利が低い今は借金を増やす好機だ--ロバート・J・ シラー 米エール大学経済学部教授


政府が低い実質金利を生かして資金調達を行う機会は、経済の低成長によって制約を受ける民間部門よりも多い。さらに民間企業と異なり、政府はプラスの外部性(すべての人に及ぶ恩恵)を投資収益として計算することができる。

現在、インフラや教育、研究に対する政府の長期投資の水準は、実質長期金利が現在のほぼ倍であった5年前や10年前よりも高くなっているはずである。多くの国で景気が低迷し、景気刺激策が必要とされていることを考えれば、そうした投資から得られる収益は当時よりも高くなっているはずだ。

つまり現在は、最低の水準にある実質金利を利用して借り入れを増やす絶好のチャンスなのである。にもかかわらず、多くの政府が財政緊縮を強調しているのは奇妙なことだ。今こそ政府は、インフレ連動債券の発行を拡大・開始するか、名目GDPに連動した国債の発行を開始すべきである。

(週刊東洋経済2010年12月11日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

Robert J.Shiller
1946年生まれ。ミシガン大学卒業後、マサチューセッツ工科大学で経済学博士号取得。株式市場の研究で知られ、2000年出版の『根拠なき熱狂』は世界的ベストセラーになった。ジョージ・A・アカロフとの共著に『アニマルスピリット』がある。

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