日本はデジタル家電で残された最後の砦「デジカメ」を守れるか《特集・カメラ新世紀》
カメラの魅力は「こだわり」、凡庸では支持得られず
カテゴリーを超えた新しいライバルの登場、もの作りの空洞化、新興国の台頭──デジカメ産業が直面するのは、ほかの多くの産業と共通の課題だ。では、デジカメでも日本メーカーの権威は失墜するのか。
カメラという製品の特性を考えると、それほど悲観することはないのかもしれない。
いわゆる家電の中で、カメラは趣味性やこだわりの高さが突出している。カメラ愛好家はみな「美しく撮ること」を愛しているが、「美しく」の定義が人によって異なっている。
心強いのは、こだわりの中心にあるレンズが、すり合わせのアナログ技術の固まりであること。ここでの日本メーカーのリードは大きく、簡単に逆転されることはない。
「こだわり」を形にできれば、自社生産かどうかは関係ないはず。リコーは、大人気の「GRデジタル」の設計・開発を自社で行っているが、生産はOEM。自社生産だからといって、凡庸な製品ではユーザーの支持は得られないだろう。
もちろん、現状にあぐらをかいていては、あっという間に追い上げられる。これから数年が正念場であることは確かだ。10年後、デジカメ業界の勢力図はどう変化しているのだろうか。
『週刊東洋経済』2010年12月4日号(2010年11月29日発売)の特集「カメラ新世紀」では、日本メーカーを軸に、成長するカメラ産業の全貌をレポートした。
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