キリン、「第3のビール」でまさかの新商品

終売騒動、増税懸念のジャンルで巻き返し

2015年1月から発売されるキリンの新商品

今年6月、サッポロビールが人気商品を急きょ販売終了し、物議を醸したあのジャンルから新商品が出てきた。キリンビールは11月26日、第3のビール「のどごし〈生〉」から、カロリーオフ、プリン体ゼロ、糖質ゼロの機能系新商品「のどこしオールライト」を発売すると発表した。

本当に第3のビールに該当するのか――。新商品発表会に集まった記者たちの関心は、その一点に集中したといっても過言ではない。背景には、第3のビールで「糖質ゼロ、プリン体ゼロ」を初めて売り文句にした、サッポロの「極ZERO」が今年6月、唐突に販売の終了を発表した一件がある。

その理由は、国税当局から製造方法の情報提供を要請されたため、サッポロが自主的に検証したところ、「当局の酒税法に関する法令解釈に沿った形での事実確認ができていない」というもの。要は、法律に従って製造してきたつもりだが、第3のビールに該当しない可能性が出てきたので、販売を見合わせますというわけだ。

販売終了の波紋

サッポロが営業秘密を理由に詳細な説明をしておらず、現在に至っても、なぜ「極ZERO」が第3のビールに該当しない可能性があるのかは明らかになっていない。そのため、糖質ゼロやプリン体ゼロなどを売りにした第3のビールはビールメーカーにとって、ともすれば販売中止に追い込まれる、手を出しづらいジャンルになったものと見られていた。

結局、「極ZERO」は発泡酒に鞍替えして7月に再発売され、それに続けとアサヒ、キリン、サントリーが9月に発売した糖質ゼロ、プリン体ゼロの新商品もすべて発泡酒だった。ところが、メーカーが敬遠していたはずだった「ゼロ、ゼロ」を売りにした第3のビールを、キリンは新商品で発売するのだ。

昨年まで、ビールや発泡酒の市場が縮小する中、第3のビールは価格の安さもあって拡大してきた。キリンの「のどごし〈生〉」は2005年の発売以来、第3のビール市場で9年連続売上トップを誇る。だが今年は消費増税後の需要喚起が他社に比べ不十分だったことが影響し、前年同期比マイナスが続いている。

そこで、夏に「のどごしICE」、11月11日には「冬のどごし」を期間限定で発売し、数量回復に力を注いでいる。そして今回、糖質ゼロ・プリン体ゼロという機能を持った「のどごしオールライト」を年明けから投入し、ラインナップを拡充する。

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