「双子パンダ」9カ月で約20kgにぐんぐん成長の今 「観覧約3分」でも平均倍率15倍の凄まじい引力

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1日に双子とシンシンの母子3頭を観覧できる人の数は、①1月12日~14日が最大1080人、②3月25日~4月3日が最大2800人、③4月5日以降が最大4400人となっている。

全体の入場者数は、休園前が最大6500人だった。3月23日以降は最大4000人で、これには母子3頭の観覧の当選者を含まない。つまり全体の入場者数は、②の期間は最大6800人、③の期間は最大8400人になる。

双子はいつから自由に観覧できるようになるのだろう。シャンシャンの場合、生後7カ月の2018年2月1日から抽選制ではなく、1日約9500枚の整理券を取れば、1日1回に限り、誰でも観覧できるようになった。同年6月5日からは、整理券も必要なくなり、並べば何度でも観覧できることになった。

上野動物園によると、双子観覧の抽選を終える時期は未定。

「観覧エリアの面積に限りがあるので、密を避けながら観覧していただくには、まだしばらくの間、抽選にせざるを得ないと思います。一人でも多くの方に観覧していただけるように検討していきたい」(冨田副園長)

少しだけ顔を見せてくれたシャオシャオ。3月23日(筆者撮影)

コロナ禍でなければ、双子も今ごろは誰でも観覧できただろう。

上野の街も双子公開をお祝い

双子の公開は1月に3日間だけ実施したとはいえ、コロナ禍で休園中の異例な対応だった。そのため、松坂屋上野店がお祝いイベントを急きょ中止するなど、上野の街全体も観覧者も素直に喜べない雰囲気だった。

しかし今回は違う。松坂屋上野店は「公開おめでとう!!暁暁 蕾蕾」と題したイベントをスタート。3月23日から29日まで、双子パンダの巨大な垂れ幕を外壁に掲げている。対象商品の購入者に双子パンダの記念ステッカーをプレゼントする企画もある。

上野案内所のレシートには、3月25日から「祝・一般公開!シャオシャオ&レイレイ」と書かれ、双子パンダのイラストがあしらわれている。

上野動物園内のレストランでは、双子公開を記念したお祝い御膳(1500円)と、双子のイラスト入りタンブラー(持ち帰り可能)に入った杏仁豆腐(1000円)を3月23日から提供。筆者が23日のお昼に行くと、多くの人がどちらか、もしくは両方を注文していた。

コロナ禍はまだ続き、ウクライナ危機など暗い話も多い中、わずかかもしれないがパンダたちが癒やしや楽しみをもたらしてくれそうだ。

中川 美帆 パンダジャーナリスト

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なかがわ みほ / Miho Nakagawa

福岡県生まれ、早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(11カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)

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