問題は、狐につままれたまま、動き続けるとなるとどうなるのか。まったく予想不可能な状態に陥る。それはカオスとなるか、あるいは、逆に予測不可能だか、結果としては、気まぐれな、しかし強い流れができることになろう。
気まぐれな強い流れは、アベノミクスをもう一度、2年前と同様に爆発的に成功させるであろうか。それは難しい。なぜなら、一度膨らんだバブルと同じで、いったん狐につままれ、止まった心理は、同じ方向にさらに爆発的に進む、ということは確率が非常に低いからだ。
安倍首相は、現局面を相当不利だと認識している?
バブルが踊り場に入り、そこからもう一度同じ上方向に爆発することはあるが、それは、バブルの最後の急膨張であり、破裂を早めるだけである。そのときは、一部の過激な人々がバブルに残り続けるのであり、大多数は置いて行かれる状態になる。
同様に、今回、人々の心理に急上昇が起これば、それは一部の極端なグループの行動に過ぎず、多数派の凡人は置いて行かれるだろう。そしてバブルは崩壊するのである。したがって、流れは反転あるいは別方向に行くことになろう。現在の政治環境から見ると、それを受け止める野党は存在せず、安倍政権にも野党にも向かわないとなると、流れはできないことになる。そうなると、やはり、カオスとなる、という確率が高いだろう。
政治家たちは政治のプロであり、選挙のプロであるから、これをあえて仕掛けたということは、このくらいのストーリーは読んでいることになる。そうなると、今回の仕掛けは、小泉郵政解散のように、2段ロケットを狙ったものだ、という政治のプロの解釈もあり得るが、一方で、カオスとなることを狙ったものだ、という説も有力説となる。
後者の戦術はあり得る高等戦術だ。将棋でも、少し不利な局面に陥り、このまま普通に指していくと、プロ同士であるから、確実に負けるということがわかれば、あえて局面を複雑にし、紛れが生じるのを誘う、ということはよくある。今回、支持率が下がってきたので、下がりきる前に解散に打って出るという解釈は、これと共通する考え方である。
しかし、そうだとすると、現局面を相当不利な局面だと認識していることになる。ダメージコントロールとして、カオスにするのは最終手段だからだ。
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