河合郁人が「司会業で大躍進」できた納得の理由 99年入所の苦労人「ジャニーズものまね」で脚光

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そうした積み重ねのなかで、いまや彼らは、ジャニーズの語り部的ポジションを確立している。彼らの冠番組『ABChanZOO(えびチャンズー)』(テレビ東京系、2013年放送開始)でも、親交のあるジャニーズタレントやジャニーズJr.がよくゲストに登場し、彼らとA.B.C-Zにまつわるレアなエピソードが披露され、また当時の秘めていた思いが明かされる。そこにも、語り部という仕事の一環がある。

河合郁人のものまねにも、それと同じような一面がある。面白さのなかにも、いつもジャニーズの歴史が感じられる。それは、ジャニーズが人生そのもののような河合郁人だからこそ、醸し出すことのできる空気感だろう。

ブレーク、そしてMC業への進出

ジャニーズものまねでブレークを果たした河合郁人は、それをきっかけにバラエティー番組の常連になっていく。もともと、Jr.時代から笑い担当として自分の生きる道を見つけようと努力を重ねていた彼からすれば、ようやくその成果を発揮する機会がめぐってきたというところだったかもしれない。

そして、さらに河合郁人は、バラエティー番組のMCにも進出していった。すでに2014年以来、『ザ少年倶楽部』(NHK、2000年放送開始)でMCを務めていたが、そちらはジャニーズのみが出演する音楽番組。一般的なバラエティー番組とは少し異なる。

TOKIOの国分太一、嵐の櫻井翔、二宮和也、相葉雅紀、関ジャニ∞の村上信五、KAT-TUNの中丸雄一、亀梨和也など、バラエティー番組のMCとして活躍するジャニーズはほかにもいる。そのなかで、河合郁人の特徴をあげるとすれば、きっちりと仕切るスキルがあるのはもちろんだが、MCでありながらいじられ役にもなれる点だろう。

『たとえるバラエティ クイズ!鼻からスイカ』(読売テレビ、日本テレビ系、2020年放送開始)などは、その好例だ。この番組で、河合郁人はお笑い芸人のフットボールアワー・後藤輝基とダブルMCを務めた。河合と後藤は、以前から顔が似ていると評判になり、『行列のできる相談所』(日本テレビ系、2002年放送開始)では、2人がA.B.C-Zのステージの途中で入れ替わるという企画もあった。

この『鼻からスイカ』でも、同じようなスーツを着て並んでいる2人の姿は、それだけで可笑しさを生む。つまり、MCでありながら自らいじられに行っているわけで、これまでのジャニーズMCにあまりいなかったタイプと思える。

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