「家入一真」とは、いったい何だったのか 若者よ、君の味方を装う奴に気をつけろ

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青木 参考になります。

常見 ところで青木くんは、大学を卒業したらどうするの?

青木 就職する気はないです。大学院に行こうかなとは思っていますが、今やっているNPOを事業化したいです。そして25歳で衆議院選挙に出ようと思っています。

常見 どこかの政党に所属する?

なぜ20代の議員が少ないのか、マジで考えろ

青木 所属しないか、政党を自分で立ち上げようと思います。

常見 民間企業に一度入ろうとは思わない?

青木 僕の問題意識は、20代の議員がほとんどいないことです。若い世代の人は、民間企業に行く人が多い中、早く政治の世界に行って、同世代の「木の幹」のような存在になりたいです。 

常見 なるほど。ところで青木くん、なぜ20代の政治家がいないと思う?

青木 そもそも資金力がなくて、当選できないからではないですかね?

常見 今なら、クラウドファウンディングなどのネットの仕組みで、資金はどうにかなるかもしれない。でもそれ以上に、「何か20代の当選を拒むものがあったのではないか」と考えてみる手はある。例えば政治はまだまだ「おじさんの世界」で、派閥、支持団体との関係性がいきている。20代は構造的に政治の世界に入りにくいのだろう。

若い政治家がいることは賛成だけど、その政治家は上手なのだろうか。むしろ、ただでさえ不利な環境にある若者の意見を代弁する70代の政治家がいたとしたならば、彼にかけてみる手もあると思うわけ。この「20代の議員がなぜいないのか」という問いは、すぐ出さずにこれから探求してほしいな。あとNPOを事業化したいと青木くんが思っているのならば、これから5年で文句なしにリスペクトされる「しっかりしたNPO」「儲かる、継続するNPO」を作って、選挙に出るというのはいいかもしれない。

青木 イメージを覆して、「ダサくないNPO」を僕は目指したいと思っています。

常見 あとは「典型的な日本企業」に入社して2~3年学んでもいいかも。例えばメガバンクや総合商社や大手メーカーに入社してみると、そこで日本企業の置かれている状態、政治との関係性が見られて、面白いと思うよ。日本の大企業には、日本の縮図があると思う。応援してるね。

青木 ありがとうございました。

いやあ、青木くん、実に好青年であった。超絶楽しい時間だった。ちょうどこの対談を終え、インタビューが掲載される時期に、衆議院解散が浮上した。さて、この選挙、若者たちはどう捉えるのだろうか。
日本の選挙は、若者にとって「無理ゲー」だと思っている。いくら頑張っても無駄で、選挙のシステムや、人口の差に失望するかもしれない。そもそも選ぶべき政治家がいないとも。私は20歳の頃、激しく失望したが、青木くんたちがこれをどうポジティブに乗り越えるか、応援したい。
結局、小生も意識が高いのであった。
次回も超絶良対談が。乞うご期待。
常見 陽平 千葉商科大学 准教授、働き方評論家

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つねみ ようへい / Yohei Tsunemi

1974年生まれ。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート入社。バンダイ、人材コンサルティング会社を経てフリーランス活動をした後、2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師に就任。2020年4月より現職。専攻は労働社会学。大学生の就職活動、労使関係、労働問題を中心に、執筆・講演など幅広く活動中。『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など著書多数。

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