韓国ヒョンデが日本再参入「IONIQ5とNEXO」の全貌 デジタルネイティブ世代に訴え独自地位築けるか

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目をひいたのは、バッテリーに蓄えた電力を室内外の電気製品に供給したり、あるいは災害などの際には住居で使うことができたりという、いわゆるV2L、V2Hの機能が標準というところだ。実は輸入BEVで、コレを用意しているものはほかにはないはず。BEVの旨味を最大限に生かそうという考え方は◎と言っていい。

走りっぷりはBEVらしく滑らか、かつパワフルというのが、まずは際立っている。最大20インチという大径タイヤのおかげで乗り心地はコツコツしているし、ハンドリングにも味わいは薄いのだが、機能としては十分満たしている感じ、である。外観の雰囲気からすると、もう少しファンでもいいと思うが、どちらかと言えば内装のとおりラウンジ感覚のほうが大事にされたのだろう。

もう1台のNEXOは実際には2018年デビューということで、IONIQ 5ほどの新鮮味はないが、川などで水の流れに磨かれた石をイメージしたという滑らかな線と面で構成された外装は個性がある。また、インテリアも直球の未来感で、見映えはいい。

ヒョンデ「NEXO」とトヨタ「MIRAI」の違いは?

スペックを見ても、6.33kgという大容量の高圧水素タンクを積み、満充填航続距離は820kmを実現。ちなみにトヨタMIRAIは約5.6kgの高圧水素タンクを積み、航続距離は約850kmとされているから、これよりは下回る。

一方、SUVということで後席、そして荷室については、同クラスの内燃エンジン車に対して何ら劣るところはない。特に後席背もたれを前に倒すと広大な空間を生み出すことができるのは、そもそもセダンであるうえに後席背面にバッテリーが位置するためトランクスルーもできないMIRAIに対して、より広いユーザーに訴求できるポイントになっていると言える。

最高出力163PSの電気モーターで前輪を駆動する走りっぷりは性能的には十分。ややアクセル踏みはじめの反応が過敏とは思えたし、乗り心地も張り感が強いのが気になったが、総じてバランスのいい仕上がりとなっていた。

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