60%の国民が消費税率引き上げを是認しているというのは嘘だ--藤井裕久・元財務相
中長期的な税制や社会保障のあるべき姿について話し合う民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」の第1回勉強会が13日、国会内で開かれた。会長の藤井裕久・元財務相は「参院選や代表選など、一連の動きで民主党の社会保障や税制(に関する考え)がぼやけている。会の目的はモヤモヤしているものを元に戻し、原点に戻ろうということ。これからの経済運営は直接働く人に(お金を)渡すのが本流。ひとつにまとめた大きな形で提言したい」とあいさつした。
同調査会ではあくまで制度の骨格に関する議論を行い、具体的な金額に関する提言は行わないが、今後週2回のペースで議論を重ね、年内に調査会としての案を取りまとめることにしている。
民主党は、2009年の衆院選マニフェストで、社会保障や雇用、教育などの分野でいくつかの目玉政策を掲げた。たとえば、子育て関連では年額31万2000円の子ども手当(予算総額5・3兆円程度。以下いずれも民主党マニフェストより)を創設。
また、年金は、すべての国民の年金制度を一元化し、所得比例年金、消費税を財源とする最低保障年金を創設。すべての国民が月額7万円以上の年金を受給できるような年金制度に作り替えるとした。また、医療制度では、後期高齢者医療制度を廃止し、将来は被用者保険と国民健康保険を段階的に統合、地域保険として一元的運用をはかるとしている。
この日は、過去の民主党の社会保障に関する提言や議論を振り返るとともに、役員人事や政府税調、党税調との役割分担について確認した。質疑応答の中で、税は公平、透明、納得の三原則が提示され、藤井会長は「われわれは一番に公平を出していく。最高税率を上げることはあまり意味がない。最高税率を払う人は納税者の5%でどこかへ行ってしまう。むしろ低所得の人にメリットがいくように、給付金付き税額控除や控除から手当てへ、という方向にものごとを持っていき、公平性を担保していきたい」と述べ、税制に関する議論の方向性を示した。
また、納税者番号制も正面から議論に取り上げるとしたほか、中期的には議論が避けられない課題である消費税についても、「60%の国民が消費税率引き上げを是認しているというのは嘘だ。すぐに(世論は)変わるので環境整備しないといけない」(藤井氏)と述べたうえで、(1)目的税化、(2)国と地方の分担、(3)行政の無駄の排除、(4)他税の不透明な部分の改善、など消費税議論にあたっての4つの論点を示した。
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