任天堂の蹉跌--ゲーム機関連の販売減と円高で今期業績を大幅下方修正。ただ、これ以上の後退は考えにくい

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 今期業績がこれ以上後退しないと考える理由の2つ目は、自社ソフトでヒットが生まれたことだ。9月発売のDS用ソフト『ポケモン』新作が、発売初週で255万本の売り上げを記録した。これは、日本のゲーム史上、初速としては最高記録だ。自社ソフトは利益率が圧倒的に高いため、収益への貢献も大きい。任天堂の歴史を振り返ってみても、ハードの販売が苦戦した時期でも、自社ソフトが利益を下支えしてきた。今期は他にも、Wii用ソフト『ドンキーコング リターンズ』や『ゼルダの伝説』新作など、複数の自社ソフトの発売が控えている。

理由の3つ目は為替の想定だ。任天堂は今期期初には、1ドル=95円、1ユーロ=120円を前提としていたが、今回の修正で1ドル=85円、1ユーロ=110円に変更。為替の動向については今後も予断を許さないが、現在の水準からすると(1ドル=83円、1ユーロ=114円近辺)、そのリスクをある程度織り込んだ、とみてよいかもしれない。(為替の影響度については、会社は公表していない)。 

来12年3月期以降の業績については、「3DS」が爆発的に普及するかどうかにかかっている。無線通信機能を拡充したことで、従来機種のようにカジュアルユーザー(=ゲーム初心者)にまで支持される可能性はある。そのためには、新しい世界観を持つソフトを提案することで、大きな“うねり”を作り出すことが求められる。

(梅咲 恵司 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2010.03  1,434,365 356,567 364,324 228,635
連本2011.03予 1,100,000 210,000 145,000 90,000
連本2012.03予 1,300,000 260,000 260,000 155,000
連中2009.09  548,058 104,360 110,613 69,492
連中2010.09予 360,000 50,000 -5,000 -2,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2010.03  1788 930 
連本2011.03予 703.8 550 
連本2012.03予 1212 550-610 
連中2009.09  543.4 270 
連中2010.09予 -15.6 130 
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