休園直前にパンダ3時間待ち、上野コロナ禍の苦悩 双子パンダはすいすい木登りするようになった

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東園パンダ舎で暮らす雌のシャンシャン(香香)が子どもの頃は、高い木の幹に鉄板が巻かれていた。シャンシャンが高い木に登って降りられない場合、飼育係が対応しづらくて、危険なためだ。木に鉄板を巻いている光景は、国内外のほかのパンダ舎でも見かける。

その後、シャンシャンが成長して、身体能力が高くなったため、非常に高い木の鉄板が2020年10月18日に外された。シャンシャンは、その木にあっという間に登った。見上げると、肉眼ではほとんど見えないほど高いところにいた。シャンシャンは降りるのも上手になり、スムーズに着地した。そんな可愛らしい姿を見せたシャンシャン。人気は衰えることを知らず、今年1月にも園内をにぎわせていた。

シャンシャン観覧に長蛇の列

「パンダ観覧 待ち時間180分」――。東園パンダ舎の前の掲示板に1月10日、こう表示された。

この日は、上野動物園の休園前最後の日。筆者は午前中に90分並んでシャンシャンを観覧後、10分ほど歩いて西園に行き、シャンシャンと双子の父親、リーリー(力力)を見ていた。

すると、シャンシャンの再観覧列の受け付けを午後2時15分に締め切るというアナウンスが流れた。本来の締め切りは午後4時なので、2時間近く早い。長蛇の列ができれば、午後5時の閉園までに全員の観覧が終わらないため、締め切りを早めたのだ。

筆者は足早にシャンシャンの再観覧列へ向かい、午後2時12分に最後尾に着いた。待ち時間は「150分」と表示されている。その直後、「180分」に変更された。筆者の後ろには、すでに100人ほど並んでいた。

2022年1月31日のシャンシャン。画像は動画からの切り出し(画像:公益財団法人東京動物園協会提供)

シャンシャンの前にたどり着いたのは、ちょうど150分後の午後4時42分。日が暮れて、あたりは暗くなってきていた。午後5時の閉園時は、パンダ舎の前にまだ少数の人が並んでいたので、180分近く待った人もいたようだ。

上野動物園を所管する東京都が同園の休園を発表したのは1月7日。当時、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数は1日1000人未満だったので、多くの人にとって休園は予想外で、突然のことだった。

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