維新と立憲「ヒトラー発言」で不毛な泥仕合の末路 野党間対立で漁夫の利を得るのは岸田政権
立憲民主党の菅直人元首相によるいわゆる「ヒトラー」発言で、日本維新の会との対立が泥仕合の様相を呈している。激しい罵り合いは収まる気配がないが、オミクロン対策で苦闘する岸田文雄政権は、「野党間対立による漁夫の利」(自民幹部)にひそかにほくそ笑んでいる。
通常国会での与野党論戦は、年明け以来の新型コロナの新変異種オミクロン株の感染爆発への岸田首相の対応の是非が最大の争点。しかし、降ってわいたような野党の第1党と第2党の派手な場外乱闘をメディアが大きく報道し、オミクロン対策をめぐる論争の影が薄れている。
自民党内では「野党同士がけんかすれば参院選は与党に有利」(同)との期待も隠さない。最新の各種世論調査で岸田内閣の支持率上昇は頭打ちだが、政党支持率では立憲、維新両党の低下傾向も目立つ。このため、このまま両党が対立を続ければ、「両党への国民的不信感も拡大する」(同)と読むからだ。
きっかけは菅氏による“口撃”
この大げんかは、立憲民主・最高顧問の菅氏が、維新創始者の橋下徹元大阪市長と現在の維新幹部について、1月21日に自身のツイッターで以下のような投稿をしたことがきっかけ。
「橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし、『維新』という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」
まさに菅氏による野党内の敵への“口撃”だ。
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