北朝鮮はなぜ「ミサイル」を撃ちまくっているのか ミサイル実験は2週間で4回の実験を行った

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移動式発射台の一部は、韓国の標的を攻撃する射程を持つ戦術兵器、KN23などの短距離ミサイルを発射するために使用されている。しかし、北朝鮮は火星8ミサイルの実験も行っているが、これは、日本、そしておそらく最終的にはグアムのアメリカ軍基地を標的とすることができるものである。

また、この実験計画では、ロケットの発射するのに検知しやすく長時間を要する準備を必要としない燃料供給システムを完成させている。そして、迅速な発射を可能にする固体燃料の実験を行っていた。北朝鮮はさらに、工場で液体燃料を事前にカプセルに詰め、すぐに発射できるように輸送できる実験にも成功としたと主張している。

1月に最も広く報道された実験は、極超音速ミサイルと北朝鮮が主張するもので、ミサイル防衛網をかいくぐって滑空する飛翔体に弾頭を搭載する。この兵器の設計は、日韓両国のアメリカ軍基地のみならず、日韓の軍事拠点も危険にさらすものだ。

「もしこの技術が専門家の言うとおり機能するなら、在韓アメリカ軍基地(と韓国軍基地)と在日アメリカ軍基地(と自衛隊基地)は新たな脅威にさらされており、現在われわれはこれに対抗する能力を持っていない」と、リビア氏は語る。

「極超音速」は誤解を招く

いくつかの報道は、アメリカ軍高官の発言をもとに、このミサイルを「形勢を一変させる」ものだとした。だが多くの専門家はこのような主張を、防衛産業が同様のシステムを開発する契約を得たいために行う過剰宣伝の売り文句だと退ける。

専門家は「極超音速」という用語自体が誤解を招くものだというが、このミサイルが使うロケットはほかの弾道ミサイルと同じもので、その速度はすでに音速をはるかに上回っているからだ。

こうしたシステムがもたらす主な脅威は速度そのものではなく、ロケット先端から切り離されるグライダー状の弾頭が大気中を高速で飛行し予測不可能な旋回や機動飛行をしてミサイル防衛システムによる検知と迎撃を困難にする能力にある。

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