ライズ/ロッキー対キックス、コンパクトSUV比較 各車ハイブリッド車を揃えるが乗り味には違い

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新たに追加されたロッキーのハイブリッドシステム(写真:ダイハツ工業)

ロッキーのハイブリッドには、車速のコントロールをアクセル操作だけで可能とするスマートペダルが採用されたが、キックスにも同様のシステムであるe-POWERペダルがある。両車の操作感などに違いはあるのだろうか。

日産が通称「ワンペダル操作」と呼ぶこのシステムは、アクセルペダルの踏み・戻しだけで加減速が行えることが大きな特徴だ。アクセルペダルを離した際に、一般的なエンジンブレーキ以上の減速力を発生させることで、ブレーキペダルへの踏み替えが不要となる。カーブ手前や下り坂での減速時、渋滞路など、頻繁に加減速が必要なシーンでドライバーの操作軽減に寄与する。

実際にロッキーのスマートペダルを試してみた。まず、市街地のゆるやかなカーブ手前で、40~50km/h程度の速度からアクセルを戻してみる。すると、通常より強い減速力が働き、ブレーキペダルを踏まなくても安全な速度まで車速が落ち、カーブをゆっくりとクリアすることができた。これは、細い路地なども同様で、ブレーキペダルへの踏み替えが不要だから操作がとても楽になる。

ただし、カーブ手前でアクセルを戻すタイミングが早すぎると、速度が落ちすぎるため、追加で加速が必要になる場合もある。少し慣れは必要だが、ペダル踏み・戻しのタイミングさえつかめれば、ブレーキなしのコーナリングが可能だ。ロッキーのこうした操作感は、キックスのe-POWERペダルと非常によく似ているが、アクセルを離したときの減速力はキックスのほうがより強い感じがする。いずれにしろ、慣れればとても快適にカーブをクリアできる点では同じだ。

キックスは停止状態まで車速を落とせる

キックスの走行イメージ(写真:日産自動車)

交差点などの信号停止時では、キックスではほぼ停止状態まで車速を落とすことができるのに対し、ロッキーはクリープ状態となるため、車両を完全に停止状態にはできない。このあたりは、各メーカーの安全性に関する考え方の違いだが、日産もキックスより後発の現行ノート(2020年12月発売)では、e-POWERペダルで停止する際はクリープ状態になるように変更している。日産でも、今後はこの方式がスタンダードになる傾向のようだ。

いずれにしろ、ロッキーの場合、完全停止するには一度ブレーキペダルを踏む必要があるが、ペダルを離しても停止状態を維持するオートブレーキホールド機能をオンにしておけば、踏み続ける必要がなく楽だ。なお、キックスは、一応はアクセルペダルを戻すだけで停止はするものの、日産では停止時にブレーキペダルを踏むことを推奨している。さらにオートブレーキホールド機能があるため、ロッキーと同様にずっとペダルを踏み続ける必要はない。とくに高速道路の渋滞時など、停止とのろのろと前に進む状態が交互に続く状況下であれば、両車のワンペダル操作はほぼ互角といえ、いずれもドライバーの疲労軽減に大きく貢献する。

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