ライズ/ロッキー対キックス、コンパクトSUV比較 各車ハイブリッド車を揃えるが乗り味には違い

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キックスのインテリア(写真:日産自動車)

ちなみにキックスのハンドルには、上下調整ができるチルト機構のほかに、前後調整も可能なテレスコピック機構も備える。対するロッキーのハンドルは、チルト機構のみだ。ハンドル位置をドライバーの体格や好みにより合わせられるという点では、キックスのほうが上だといえる。最適なドライビングポジションを取ることは、運転操作のしやすさはもちろん、歩行者が急に飛び出してきたときなど、緊急時にハンドルやペダル類をとっさに操作できるか否かという安全面にも大きく関わる。ロッキーやライズのハンドル調整機構については、ぜひ改善を望みたい。

ロッキーのアクセルペダルを踏み込み発進すると、加速がかなりスムーズなことが実感できる。ただし、すぐにエンジンが動き出し発電をはじめてしまう。バッテリーの充電状態にもよるが、試乗車は充電があまりされていなかったためか、約20km/hの低速域でもエンジンがかかっていた。それでも市街地の低速走行では、あまりうるさい感じはせず、静粛性もなかなか良好だ。ところが、例えば、急な登り坂などでは、かなりエンジンのうなり音が聞こえる。実際はモーターで走行しているのだが、まるでガソリン車に乗っているかのような錯覚さえ覚える。

なめらかな加速感ではキックスが一枚上手

キックスの電動パワートレーンe-POWER(写真:日産自動車)

対するキックスは、発進からなめらかで、アクセルを踏み込んでいくとグングンと加速する。加速感ではキックスのほうが上だ。また、エンジンがかかっても、うなる感じはあまりなく、きわめて静かだ。キックスのほうが加速力も感じられたのは、駆動用モーターのパワーに違いがあることも関係しているのだろう。

モーターのスペックは、キックスが最高出力129ps/4000~8992rpm、最大トルク26.5kgf・m/500~3008rpm。対するロッキーは最高出力106ps/4372~6329rpm、最大トルク17.3kgf・m/0~4372rpmだから、キックスのほうが余裕もある。また、ロッキーのエンジンが発電時にうなるのは、同じような速度や状況でも、それだけ高い回転数になっているからだ。ただし、発電用のエンジンは、最高出力はどちらも82psと同じだし、最大トルクもキックスの10.5kgf・mに対し、ロッキーは10.7kgf・mだからほぼ同等だ。そう考えると、恐らくバッテリーのスペックの違いかもしれない。キックスのほうがより容量などが大きいため、エンジンをあまり高回転までまわす必要なく充電できるのだろう。もちろん、そのぶん、コストはかかるため、前述のように、キックスの価格が高くなっている理由のひとつだといえる。

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