ライズ/ロッキー対キックス、コンパクトSUV比較 各車ハイブリッド車を揃えるが乗り味には違い

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ロッキーの走行イメージ(写真:ダイハツ工業)

こうして両車を比較してみると、キックスのほうが走りに余裕があり、静粛性も高いため、例えば高速道路の移動などではかなり楽だ。ただし、市街地では、さほど差が出ず、ロッキーでも快適な運転が可能で、その点はライズも同様だろう。しかも燃費では、ロッキーやライズはWLTCモード(総合)で28.0km/Lを実現し、キックスのWLTCモード(総合)21.6km/Lを上回る。加えて価格は、圧倒的にライズやロッキーが安い。燃費がよく、よりリーズナブルに購入できる魅力は、かなり大きいといえる。

一方、キックスは、例えば内装にステッチ入りシートや本革巻きステアリングを採用するなどで、高い高級感を持つことも魅力だ。よりラグジュアリーな雰囲気を味わいたいユーザーには、キックスのほうが最適だ。

1.2Lガソリン車はパワー感、さらに広いラゲッジが魅力

ロッキーに搭載されている1.2Lガソリンエンジン(写真:ダイハツ工業)

ちなみに今回は、ロッキーに新しく設定された2WDの1.2Lガソリン車にも乗ってみたが、発進時などの加速はこちらも秀逸だ。とくに低速から湧き出る太いトルクは、ハイブリッド仕様のスムーズさともまた違うパワー感が味わえる。

また、ロッキーのハイブリッド車は、エンジン始動や車内アクセサリー用の電源となる鉛バッテリーを車体後方にあるラゲッジ下部に搭載する。ガソリン車では、従来エンジンルーム内に配置しているが、ハイブリッド車では駆動用モーターがその位置に収まるためだ。そのためラゲッジは、ガソリン車のほうが使い勝手がいい。

ロッキーのラゲッジスペース(写真:ダイハツ工業)

ライズやロッキーは、本来、コンパクトSUVながら広いラゲッジスペースを持つことが魅力のひとつだ。取り外しが可能なデッキボードを使えば、スペースを上段と下段に仕切ることができるほか、取り外せばガソリン車なら2WD車で449L、4WD車でも407Lもの荷室容量を実現する。ところがハイブリッド車では、ラゲッジ下にバッテリーがあるため、容量が386Lに減少する。キャンプなどアウトドアで荷物を多く積みたい場合は、より収納スペースが広いガソリン車のほうが使い勝手がいい。

ともあれ、より多い選択肢があるという点でも、ライズやロッキーの商品力はかなり高い。ダイハツは、ライズやロッキーで採用したハイブリッドシステムを軽自動車にも導入するというが、果たしてどんなモデルが登場するのか、その点からも今後の動向が気になるところだ。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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