ライズ/ロッキー対キックス、コンパクトSUV比較 各車ハイブリッド車を揃えるが乗り味には違い

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ロッキーのリアビュー(写真:ダイハツ工業)

THSIIは、エンジンと駆動用モーターを走行状況などに合わせて使いわける機構だが、システムが複雑で生産コストもかかる。その点、ダイハツのe-SMARTハイブリッドでは、駆動するのはあくまでモーターのみのため、構造を比較的シンプルにでき、結果的にコストも安くできる。ライズで216万3000円~232万8000円、ロッキーで211万6000円~234万7000円といった、リーズナブルな価格帯(いずれも税込み)を実現している要因のひとつだといえよう。

なお、ライズ/ロッキーは、いずれもハイブリッド車には2WDのみを設定。また、ガソリン車には2WDに新型の1.2L・3気筒、4WDには従来ある1.0Lターボを搭載する。

ライズ/ロッキーに比べ、一回り大きく、ハイブリッドシステムe-POWERのみをラインナップする日産のキックス(写真:日産自動車)

一方、キックスは、2020年6月に発売されたコンパクトSUVだが、こちらの車体は全長が‪4290mm‬のため3ナンバーサイズとなる。ラインナップには、日産のコンパクトカー「ノート」やミニバンの「セレナ」でも好評のハイブリッドシステムe-POWERのみを設定。発電用のエンジンが1.2L・3気筒で、2WDのみを設定するのは、新型のライズ/ロッキーと同様。パワートレインの面でいえば、まさに同じような仕様を持った競合車であるといえる。ただし、キックスの価格帯(税込み)は、275万9900円~311万4100円と、ライズやロッキーと比べ全体的に高め。こうしたプライス面の違いが、乗り味などにどんな違いを生むのかも気になるところだ。

試乗インプレッション

ロッキーのインパネまわり(写真:ダイハツ工業)

では、実際にロッキーのハイブリッド車とキックスを乗り比べた印象を紹介しよう。ロッキーのシフトレバーは、オーソドックスなスティックタイプのため、ドライブに入れるなどの操作はすぐにわかる。キックスが採用する電制シフトのほうが、近未来的なデザインで、ハイブリッド車であることをイメージしやすいため、個人的には好きだ。だが、日産の某販売店によると、女性などあまりメカニカルなものが得意でないユーザーには、一般的なシフトレバーを好む人も多いというから、ダイハツやトヨタはあえて先進的なレバーにしてないのかもしれない。

次ページスペックは似ているが走りはそれぞれの個性が光る
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