仮設から仮設へ、復興商店街の厳しい前途 震災3年半後の宮城・気仙沼で起きていること
「それでも無事に9月3日の大安の日にオープンにこぎ着けられたのでよかった。お客さんも結構来てくれているので当分の間は何とかやれる」と重美さんは安どの表情を浮かべる。
昼時ともなると、工事現場の作業員や被災地を訪れた観光客で賑わう。めかじきの背びれの肉を使用した重美さん特製の「ハーモニカ定食」は相変わらずの人気を博している。
2年後に訪れる存続の危機
もっとも、問題は2年後だ。
同じ仮設商店街に移ってうどん店「釜揚げうどん 団平」を再開した、おいの賢一さんが厳しい表情で語る。
「2年後の2016年8月31日をもってこの新たな仮設商店街は(工事のために)終了となる。その時までにここから北方向にある住宅エリアの土地のかさ上げはある程度終わっているだろう。そこで再開をめざす商店主は工事終了後、すぐにでも移転する。しかし、私はこの一体の低地エリアに店を出したいと思っている。だが、ここの工事の完成は18年3月末。東京オリンピックも近づいており、工事はさらに遅れるかもしれない。それまでの1年半のブランクをどう乗り切ればいいのか。気仙沼での再建を断念するか、廃業しなさいと言われているようなものだ」
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