パイオニアがまた人員削減、今度は2200人 DJ事業を590億円で売却
[東京 16日 ロイター] - パイオニア<6773.T>は16日、クラブミュージックやライブで使われるディスクジョッキー(DJ)機器事業を、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)
本体から同事業を切り出して、来年3月2日に譲渡する予定。同時に、来年3月末までにグループ人員の10%に相当する2200人の人員を削減する方針も発表した。
すでにパイオニアは、来年3月に音響・映像(AV)機器事業をオンキヨー<6628.T>に統合するとともに、オンキョー本体に14.95%を出資することで基本合意している。DJ機器も売却して、カーナビゲーションなど車載機器に経営資源を集中する。
DJ機器事業は、パイオニア本体から同部門を切り出して新会社「パイオニアDJ」を設立。KKRが新設する持ち株会社に100%譲渡した上で、パイオニアが同持ち株会社の14.95%の議決権を保有する。パイオニアのブランドは継続する。
両事業とも、売却した後も影響力を残すため、オンキョー本体とKKRが新設する持ち株会社に出資を残すが、持ち分法の適用を避けるため15%未満に抑える。両事業が連結から外れることで、来期以降は約600億円規模の売り上げが減る見通し。
<売却資金で財務立て直し>
パイオニアのDJ機器事業は、ダンスやライブでプロのDJに使われるプレーヤーやミキサー、コントローラーを扱う。同部門の2014年3月期の売上高は216億円。世界シェアの6割強を占めるブランド力の強い事業で、営業利益率は20%近くに達する。
記者会見した小谷進社長は「DJ機器事業は利益貢献しているが、今後の成長にかなりの投資が必要になるので、思い切って切り離す選択をした」と述べた。
パイオニアはDJ機器の売却によって550億円の特別利益を計上する見込み。売却で得る資金は、800億円以上の有利子負債の返済に充てる。今後も、シャープ<6753.T>株のほか、山梨県中央市や静岡県袋井市の工場跡地の売却を進めて、財務基盤を立て直していく。
<来年3月までに2200人圧縮へ>
AV機器とDJ機器の売却で、700人強の人員がグループ外に移る予定。このほかパイオニアは、経営体制スリム化を目的に、今期中に1500人(国内800人、海外700人)の人員を削減する方針も発表した。
合わせて、今期末には2200人の削減になる見込みで、14年3月末の連結人員2万2193人から10%の圧縮になる。人員圧縮に伴って、役員数も削減する。
*見出しを修正して再送します。
(村井令二 編集:山川薫)
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