米GEが目指す、産業の「ネット化」とは? 自動車リースから始まる日本市場攻略

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日本ではソフトバンクが興味を持っていて、連結子会社のソフトバンクテレコムと今年4月、インダストリアル・インターネットに関する業務提携を結んでいる。

――GEキャピタルとしての経営方針はどのようなものか。

よく、”more than finance”といっている。GEは売上高構成のうち、約7割が製造部門、約3割が金融部門。この事業形態を生かして、単なる金融でなく、金融以上のサービスや付加価値を顧客に提供したい、という考えが根底にある。

製造部門持つ強みを金融でも発揮

インダストリアル・インターネットを使ったサービスも、他の金融機関にはない、GEならではの強みがあるからこそできる。強みの一つは、主力の製造部門があるため法人顧客を共有できること。またもう一つは、GEが持つ長年に渡る顧客との関係があることだ。長期にわたるビジネスパートナーとして、仕事を行うという基本的な考えがあるので、導入企業に対しては、インダストリアル・インターネットの考え方を良く理解してもらっている。

GEの長期志向については、トップの在任期間を見てもらえれば、理由がわかると思う。現職のジェフ・イメルト会長兼CEOが就任したのは01年9月。1892年から現在までの約120年間で、CEOはわずか9人しかおらず、それぞれ平均約13.5年もCEOを務めている。在任期間が長いゆえ、ビジネスパートナーとの付き合いも長くなる。さらに提案、ソリューションを進化させていくことができるし、その流れの中で、インダストリアル・インターネットのサービスが存在する。

――GEとしての課題を教えてほしい。

GEはこれまで、全ての製品を一生懸命エンジニアリングをして造り、ほぼ完璧になった製品を顧客に持っていって、「使ってください」といってやっていた。しかし、イメルトCEOが2年ほど前から、『リーン・スタートアップ』の著者であるエリック・リース氏をコンサルタントに就任させ、もっと速く顧客の声を取り入れて開発につなげるという、仕事の作り方を生み出した。

社内ではそれを”Fast Works”と呼んでいる。まずは製品・サービスを造り、顧客のところに持っていき、顧客からフィードバックしてもらって改善する。インダストリアル・インターネットを使ったサービスでも、この仕組みを速く回転させ、展開先をどんどん広げていきたい。

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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